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校長より生徒の皆さんへ その27 一本の綱

セルバンテスの描くドン・キホーテは、風車を巨人と思い込み
敢然と立ち向かいますが、風車の羽根木に飛ばされて大怪我をします。
従者であるサンチェ・パンサがその無謀な行為を窘めると、
「お前は何と冒険心がないんだ。勝敗は時の運だ。」と切り返します。
どう考えても風車に勝てるとは思えませんが、
ドン・キホーテがここで話した冒険とは理想のことである、
とする説があります。
理想に向かって突き進むことに意義があり、その結果は問うものではない、と解釈すれば、ドン・キホーテの行動は確かに頷けます。
今いる現実の世界から、前に広がる理想の世界を繋ぐ一本の綱、
そして、後ろにも後退を意味する世界があります。
さて、生徒の皆さんはどのような行動を選択しますか。
いつまでも、ここに立ち続けますか。
それとも、その綱を通って歩みを前に進めますか。
現実を理想の世界にまで高めることができるのは、自分しかありません。

みんなにも読んでほしいですか?

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